診療科紹介Department introduction
外科
科の紹介
外科では、消化器に加えて、甲状腺、肛門疾患まで幅広い診療を行っています。
現在、手術は中止しておりますが、それ以外の診断から治療、抗がん剤治療も含め、積極的に行っております。
医師
特徴
診断から治療まで当科で一貫して行っていて、病変の早期診断、早期治療をモットーに、内視鏡検査(カプセル内視鏡を含む)、内視鏡治療を導入しています。より小さな傷で患者の体の負担を最小限にする治療が特徴です。
関連情報
診療実績
クリニカルパス
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)とは ~除菌療法で胃がんリスク3分の1減~
ピロリ菌とは、胃の粘膜の表面や細胞のあいだに入り込み、炎症を起こす細菌の一種です。
近年、このピロリ菌が胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの胃の病気に深く関わっていることが分かってきました。
日本人のピロリ菌感染者はおよそ3500万人と言われていますが、ピロリ菌に感染してもほとんどの人は自覚症状がありません。
感染による炎症が続くと、胃粘膜の感染部位が広がって、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(慢性胃炎)になります。長期間炎症が続くと、胃粘膜の胃酸などを分泌する組織が消失した状態(萎縮性胃炎)になり、胃がんに移行する場合もあります。
また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方は、ピロリ菌に感染している割合が高く、潰瘍の発症や再発に関係していることが分かっています。
ピロリ菌の除菌療法(2013年から全ての方に保険診療となりました)
ピロリ菌は薬を服用することで退治できます(除菌療法)。
除菌療法を行うと慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発が抑制されること、胃がんのリスクが3分の1になることなどが分かってきました。
除菌療法は2種類の「抗菌薬」と1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」の合計3剤を同時に1日2回7日間服用します。服用後4週間以上経過してから、ピロリ菌が除菌できたか検査します。
正しく薬を服用すれば、1回目の除菌成功率は90%です。1回目で除菌できなかった場合、2回目は薬を変えて行い、1回目、2回目を合わせた除菌成功率は99%以上です。当院では、2回目の除菌にも失敗した方、抗菌薬アレルギーで通常の除菌ができない方に対しての、保険外での除菌にも対応しています。
また、当院には日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医が3名在籍しています。
気になる方はお気軽に外科・消化器内科にご相談ください。
大腸がんについて ~早期発見・早期治療で95%治る病気です~
大腸は、消化管の一部で肛門の直前にあります。大腸は小腸で栄養分が吸収された後の食べ物から、水分を吸収して便にする役割を持っています。大腸がんは、大腸の粘膜にできるがんで、粘膜が直接がんになるものと、ポリープががんに変化するものがあります。
近年、大腸がんによる死亡率が大幅に上昇しており、臓器別の死亡者数で、大腸がんは男性の3位、女性の1位となっています。
●がんによる死亡率が多い部位(2018年国立がん研究センター)
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
男性 | 肺 | 胃 | 大腸 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 |
大腸がんは早期に発見すれば、高い確率で治すことができる病気です。
早期発見し、早い段階で治療ができるよう、年に一度は検診を受けるようにしましょう。
大腸がんの検査方法
大腸がん検診の種類には、便潜血反応、注腸検査(バリウム)、内視鏡検査(大腸カメラ)のほか、大腸3D-CT、カプセル内視鏡があります。
大腸がんの原因は、生活習慣が大きく影響していると言われており、遺伝性ものはごく少数です。
標準的な検査は内視鏡検査ですが、内視鏡検査が苦手な方に、当院で行っている検査をご紹介します。
大腸3D-CT(CTコロノグラフィ)
大腸3D-CTは、CT画像をもとに病気を見つける検査で、撮影時間が約15分と検査時間が短いことや、痛みや苦しさが少ないというメリットがあります。撮影時は大腸を拡張するため、肛門から炭酸ガスを注入します。炭酸ガスは腸が吸収するため、検査後の不快感はほとんどありません。当院では2013年10月から検査を行っております。
大腸カプセル内視鏡
通常の大腸内視鏡検査が、痛みや腸の形状、癒着などの理由で困難な方の検査・診断の手法として「カプセル内視鏡」があります。カプセルを飲み込むだけで検査ができ、放射線を使用しないので、放射線被ばくの心配がありません。
ただし、ポリープなどの病変が発見された場合には、切除などの処置ができないため、別に通常の内視鏡で治療を受ける必要があります。
大腸カプセル内視鏡は2014年1月から保険適用になり、当院では同年7月より検査を開始しております。
画像提供:コヴィディエンジャパン株式会社
検査方法による比較
検査方法 | 内視鏡 | 大腸3D-CT | 大腸カプセル |
---|---|---|---|
時間 | 30分前後 | 15分前後◎ | 3~4時間 |
下剤の量 | 1.8L | 0.9~1.8L◎ | 4L前後 |
放射線被爆 | 無し◎ | 有り | 無し◎ |
痛み | 時に有り | 膨満感 | 無し◎ |
羞恥心 | 有り | 少し有り | 無し◎ |
大腸外の病変 | 不明 | わかる◎ | 不明 |
小腸の病変 | 不明 | 不明 | わかる◎ |
残渣・残便 | 吸引可能◎ | あると評価不能 | わかりにくい |
小さい病変 | 見える◎ | わかりにくい | 評価可能 |
治療 | できる◎ | できない | できない |
保険適用 | 適応◎ | 適応◎ | 制限あり |
大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば95%治る病気です。定期的に検診を受けましょう。
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